ある社畜の独り言

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映画「子宮に沈める」感想

前提

ふとPrime Videoのおすすめに出てきた映画「子宮に沈める」。 概要で実際の事件を基にしたものであることから結末は想像できていたのですが、見てみました。 とてもショッキングで心を動かされた映画だったので、感想を書き留めておきます。ネタバレを含みますのでご注意を。

あらすじ

2人の幼い子を抱えたまま離婚した女性。 経済的苦難から生活は次第に荒れていき、彼女は家に帰らなくなる。 温かかった家庭、幸福だった人生。 急転直下の末に深い孤独と不安に追い詰められた彼女は、現実から目を背け、凄惨な悲劇を子供たちに強いてしまう。

感想※ネタバレあり

隠し撮りのような画角でひたすら部屋の中で起きる日常を切り取った様子が描かれています。 ナレーションなどは一切なく、登場人物の会話や部屋の光景から視聴者が状況を察していく構造です。 まるで監視カメラで覗いているような感覚を覚えます。

家族の日常生活がどんどん変わっていくが映し出されていきますが、子ども純粋さ、純粋さ故の愚かさに心を打たれました。

まだ手のかかる弟・そらくんにお母さんはかかりきりで、お姉ちゃんの幸(さち)ちゃんは構ってもらえません。 寂しさからか、わざと牛乳をこぼしてみたりします。 ある朝、幸ちゃんは熱を出してしまいます。 仕事にいく前の朝の親としては子どもの体調不良は非常に厄介なのですが、熱を出すとお母さんが構ってくれるので、具合は悪くても幸ちゃんはどこか嬉しそうです。

夜の仕事を始めたお母さんを幸ちゃんは遅くまで起きて待っています。 親としては寝ていてほしい気持ちも、幸ちゃんがお母さんと一緒にいたい気持ちも痛いほどわかります...。

お母さんが子ども2人を家に閉じ込めて帰ってこなくなってから、主な被写体は幸ちゃんに移ります。 特に胸を締め付けられたシーンは下記です。


尿意を感じてトイレに行こうとしたけれど(この時点でめちゃ偉い)、リビングから外に出る扉が外から固定されていて開きません。 その場で漏らしてしまいます。自分でパンツを履き替えます。

ミルク缶はひっくりかえって粉ミルクが床に散乱していますが、その粉を砂遊びのように瓶に入れて水も入れて弟にミルクを作ってあげます。

お腹が空いて部屋中を漁ります。 パイナップルの缶詰を見つけました。包丁で叩いて開けようとします。その手には切り傷があります。 (なんとか穴は開けられたようで、後半に缶詰のシロップを飲む様子が映ります。)

弟は衰弱し息絶えてしまいますが、まだ幼く死というものがわかりません。 「そら~、起きてよ」と声をかけ、粘土で作ったケーキでハッピーバースデーの歌を歌います。

冷蔵庫にあったマヨネーズを吸って飢えをしのぎます。空になったマヨネーズの容器に水を入れ、薄めて飲みます(賢い…)。

ついに幸ちゃんも衰弱してきたそのとき、お母さんが帰ってきました。 「ママ~遅いよ~」と言い、母の脚に抱きつきます。このような思いをさせたのはこの母のせいなのに。


なんて愚かで、なんて愛しいんでしょうか。 弟が死んで、自分がこんなにお腹が空いてつらいのはこの母のせいなのに。 まだ母親に縋っている様子がとてもつらく、同時にとても愛しいです。 この年齢の頃は、親が世界の全てですものね...。


自分にも0歳と3歳の子どもがいて、子育ては大変です。 自分の思い通りになるはずもないし、「ママ、ママ」と常にまとわりつかれて鬱陶しいし、引っぱたきたいときもあります。 だから子育てや生活に疲れて子どもを殺めてしまう親を100%で責める気にはなれないのですよね。もちろん絶対ダメなことなのは理解していますが。

「親の愛は無償」といいますが、本当の無償の愛は「子から親への愛」だと最近強く感じます。 まだ世界=親なので、100%の愛を親にぶつけてきます。 子どもからの愛を受け止めるには、親には余裕が必要ですね。 常に子どもからの愛情を受ける分の心の余裕を空けておくことが、子育てをしながら生きていくということなのかもしれません。 じゃないと、100%の愛を親にぶつける期間が終わってしまい、後悔しそうです。


「よ~し、今日は子どもの好きな唐揚げを作り、アンパンマンブロックで遊んでやるか!」という気持ちにしてくれる映画でした。 ※私の場合、「気持ちになる」だけであって実際に行動に移せるかは別問題(おい)。

でも二度と見返さないと思います。